注文品ブックカバーのご紹介と新年度に向けて
早いもので、令和元年度も終わろうとしています。
今年度は、台風被害によるイベントの中止に加え、新型コロナウィルスによるイベント自粛が重なり、販売や活動紹介の場が大幅に減った年度となりました。
県内外にかかわらず、商品の販売と利用者目線の活動内容をアピールする貴重な機会のほとんどが中止となり、福祉事業としての役割をどのように果たしていくかをあらためて考えさせられる年度でしたが、思いがけない出会いもありました。
それは、数年前のイベントで商品をご購入下さった方から、ブックカバーを作ってほしいというご依頼でした。
それもサイズの違うものを複数希望されているという事もあり、まずは一度お打ち合わせを…ということで、たぬき工房にお越しいただきました。
数年前に購入されたペンケースはじっくりと使い込まれて見事な艶と手触りになっており、大切にお使いいただいていることが手に取るようにわかります。
ご依頼の内容と数を確認する中で、お受けできるかどうか?少々不安を感じながらも、3時間以上かけて車でお越しいただいた方への敬意を込めて、ふたつ返事でお受けしました。
さて、ここからどのように作業を段取りして仕上げていくのか、スタッフの手腕が問われます。
せっかくの機会なので、制作過程を記録に収めてみました。
まずは採寸。そして本の厚さに近い紙で実寸サイズのサンプルを作り、型紙に起こします。
次に革をカットし、希望されている色柄を担当しているメンバーへ作業指示を出します。
なんと、縦20cm 横36cm という超大型サイズにもかかわらず、担当メンバーから「やってみます」という心強い返答が!
さすがrock ‘n’ rollな人生を送ってきているだけあり、スタートもゴールも抜群でした。
色塗りが完成した後、四方を整えます。革は、刻印を打つことで少し大きくなっているため、慎重にハサミを入れます。サイズを整えたのちにポケット、ベルトを取り付け、四方にひとつずつ均等に穴をあけてレースでかがっていきます。
全体をかがり、実寸サイズのサンプルを入れて全体のバランスを確認して完成です。
今回は、さまざまなサイズ、デザインの合計9点のご依頼をいただき、現在、制作中です。
あと数日で新しい年度が始まります。
新年度は、これまでの取り組みに加え、もっと身近にたぬき工房を知っていただけるような機会を増やしていきたいと思っています。
新年度もどうぞよろしくお願いします。